バトルでケリつけるぜ! |
第一回:キラービ
レベル1から3パワーという破格の性能。「1コ」で「2つ飛び」という扱いの難しさから
敬遠するプレイヤーもいるかもしれませんが、殲滅デッキ(特にホワイト)ならば
一枚は入れておいて損はないモンスターです。
キラービを使うときに最も重要なのは出すタイミングです。ただ後衛が開いているから
という理由で何となく伏せると、お荷物になってしまう可能性が高いと言えます。
キラービは一度場に晒されてしまうと、キラービを背負っている前衛を倒したり、狙っている
相手後衛にきあいだめをさせたりと、簡単に対策をとられることになります。そして、
レベルアップできずに場でくすぶっている時間が長くなると、相手前衛への攻撃力の低下や
ストーン1コという欠点が響いてきます。最悪なのは、
キラービを背負わせた前衛を次々と倒され、ろくに攻撃もできないままフィールドを
うろうろとさ迷い続けるパターンです。
キラービを場に出すのは、出したターンに確実に(できることならば一気にLv3まで)
レベルアップできる場合にすべきです。キラービの魅力は、相手が安全だと信じ込んでいた
後衛モンスターを意表を突いて倒してしまう「奇襲」にこそあります。
その点でキラービはウェイクアップと非常に相性が良く、ウェイクアップとセットで使うことを
前提にして、相手後衛の「打ち落としマジック」として扱ってもよいくらいです。
普通に場に伏せて相手後衛を打ち落とすことができれば、勿論より強力ではありますが、
それを成功させるためには相手の行動をある程度読むことが必要になります。
対殲滅デッキ
殲滅デッキ相手では、キラービが有効なのは序盤と中盤です。
序盤でのキラービの役割ははっきりとしています。「先攻2ターン目にセット」か
「後攻1ターン目にボムゾウと共にセット」です。先攻の場合は3ターン目に、
後攻の場合は2ターン目にきあいだめしている相手後衛をボムゾウと協力することで
打ち落とし、相手の出鼻を挫くことができます。貴重な後衛をいきなり倒された上に
Lv2のキラービの睨みが効くことになり、相手は嫌な気分になることでしょう。逆に
これらの条件が揃わない場合には、初手のキラービは敬遠した方が良さそうです。
中盤では、殲滅合戦の最中、相手が後衛をレベルアップさせそうな時、
あるいは自分が相手前衛を倒し、次のターンで前に引きずり出された後衛を相手が
元の位置へ返しそうな時がセットの狙い目です。やや状況が限定されており、
相手の行動により裏目に出ることもありますが、成功したときの効果は
その分大きくなります。またそのようなリスクを避けたければ、出番が整ってから
ウェイクアップをしても十分な働きをしてくれるでしょう。
対速攻デッキ
「速攻デッキ相手には使えないから入れたくない」と考えるプレイヤーも
いるかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。
速攻デッキは基本的には前衛にモンスターを残さないため、こちらの後衛に一つ飛び後衛が
いたとしても、手持ち無沙汰できあいだめをしていることがほとんどです。一つ飛び後衛が
必要になるのは「スケープゴート」や「ワープ」を使って相手後衛にいるモンスターを
攻撃する時ですが、それにしてもヤンバルやピグミィが一体居れば十分です。
速攻デッキ相手に後衛を一つ飛びモンスターで埋めてしまうよりは、片方をキラービに
した方が、ずっと多くの手が打てるようになります。例えば後衛位置での相手モンスターの
きあいだめ外しや、後ろに下がったポリスピナーの打ち落としの他、白殲滅デッキならばスケープゴートを
握ってさぁレベルアップと思ったところでカムロやゴーントをウェイクアップしてしまった
時の保険にもなります。ストーンの使い道の少ない速攻相手ならば、ストーン1コが
それほど痛くないのも良いところです。
キラービ?バルキャノン?
似た性能を持つモンスターとして、キラービはよくバルキャノンと比較されます。
バルキャノンはキラービに比べ、「Lv1でもストーンがいらない」「Lv2でマスターへ攻撃ができる」
「Lv1でのHPが多い」という利点と、「Lv1での攻撃力が低い」「最高レベルでのHPが低い」という欠点を持っています。
これだけの比較だと一長一短と言えなくもないですが、これらのモンスターが任されている
「後衛モンスターの殲滅」という役割を考えると、その優劣がはっきりと表れます。
HP2以下 | ビヨンド、オヤコダケ、キラービ(Lv1)、ゼック、ヴァルテル |
---|---|
HP3 | ヤンバル、ピグミィ、フーヨウ、ムータン、マッド・ダミー、 ノワール、キラービ(Lv2)、バルキャノン |
HP4 | マージス、キラービ(Lv3)、ガンタス、 ダロス、ラティーヌ、フェニックス |
上に挙げたのは主要後衛モンスターのHPですが、明らかにHP3に特に重要な後衛モンスターが 集中していることが分かります。また、忘れてはならないのが「ポリスピナー」の HPも3であるということです。ポリスピナーで前衛に一回攻撃して後ろに下がる、という ケースは決して少なくありませんから、これも含めて、キラービは 「実際に有効に働く機会の多さ」という点でバルキャノンに大きく勝っていることになります。
(ただし、ボムゾウやラッフィなどの中衛カードによるサポートが期待できる場合には、 バルキャノンの2Pの攻撃力で十分ということになるため、これらのカードを多く入れるデッキでは バルキャノンの方が向いていると言えます。故に、バルキャノンはSPDルールでの活躍が期待できます。)
また、最高レベルでのHP4と3という違いも、「大地の怒り」で倒れるかどうかの境になっています。
単純な性能の比較では同程度に見えても、ゲームの環境が価値を分けている例と言えるでしょう。