バトルでケリつけるぜ! |
その1:形勢判断
思考型ゲームの実力とは、即ち正しく形勢判断ができるかであるとも言えます。
完璧な形勢判断ができるならば、あらゆる手を指した場合の結果を考えて、その中から
最も形勢の良くなる手を実際に指せば、それが最善手であるはずだからです。
カードゲームでは、形勢判断をするための様々な要素について、
よく「アドバンテージ」という言葉が使われます。直訳すると「優位、利点」などと
いった意味がありますが、例えば「マジックカードの効果でカードをドローしたので、
カードアドバンテージを得た」だとか、
「モンスターを倒されたので、フィールド
アドバンテージを失った」のような使われ方をします。「○○アドバンテージを得た」とは
「○○の面で相手よりも得をした」くらいの意味で良いのではないでしょうか。
さて、カードヒーローにおいて形勢判断に必要なのは
「HPアドバンテージ」
「フィールドアドバンテージ」
「カードアドバンテージ」
「ストーンアドバンテージ」
の4つであると言えそうです。これら4つの要素の組み合わせで
正しい形勢判断が行えると思われますが、実際にこれらをどう計算し、組み合わせたら
いいのかを考えるのは、まだ難しそうです。
そこで私がいつも使っているのは、これら全ての要素を「ストーン数」に直して
考える方法です。
まず「フィールド」に存在するモンスターには、レベルに応じた
ストーンが使われていますが、これはフィールドに一時的に預けているだけなので
やがては戻ってきます。また「HP」もダメージを受ければストーンとして返って来るので、
始めからお互いに10個のストーンを与えられていると考えることができます。
ということで、具体的には
「手持ちのストーン数 + フィールドにいるモンスターの合計ストーン数 + 残りHP」
の値を計算して、これが相手より多ければ優勢、少なければ劣勢、という方法で
簡単に形勢判断をすることができます。
この時、お互いの「手札」数に関しては思い切って無視!しています。これは
「ドロー5」という特殊なマジックの存在のために、見た目の手札の枚数がかなり信用できない
ものだからです(そしてドロー5は普通、手札が少なくなるまでは使いません)。
ところが、これだけではまだ問題があります。上の方法だけで考えると、
「毎ターン何もせずターンエンドする」のが最善手になってしまうからです。
これではまずいので、もう一つ基準を付けることにします。それは
「相手とのHP差」です。
カードヒーローのバトルは、フィールドで見て片方が有利になると、
その少し後には返ってきたストーンを使ってもう片方が逆転して有利になるという
「シーソー」のような展開を見せます。
そのため、両者の間にあまりに大きいHP差がつくと、HPで劣勢だった側が場を
盛り返したとしても、その少し後にはHPで優勢だった側がやはり場を盛り返すので、
残り僅かなHPを守り通すのは非常に難しいのです。
大雑把には「HP差が2までは青信号」「HP差を3つけられると黄信号」
「4以上では赤信号」と言えます。
そこで、さっきの方法に「但し、HP差が3以内であること」を付け加えて、
私は形勢判断の基準としています。これで、相手のレベルアップしたモンスターを
見逃せない理由ができました。
また、この基準では「モンスターを倒されること」も
「少々のダメージを受けること」も自分の不利ではなく、「ストーンを無駄使いすること」
こそが自分を不利にすることにも注目して欲しいです。
もちろん、この簡単な方法が常に通用するわけではありません。
速攻デッキでは手札数の方が重要なこともありますし、コルドラロックなどの
コンボデッキでは全く違った基準が必要になります。この基準が最も通用するのは
白殲滅対決だと思われますが、それでもこの方法が使えるのは序盤から中盤までで、
終盤は手札を含めたダメージ計算が必要になります。しかし、何よりも簡単に
判断できる点は魅力ですので、是非一度使ってみて下さい。